8月26日午前、Microsoft Teamsで会議に参加しにくい、画面共有ができないといった報告が相次いだ。ITmedia NEWSによれば、日本では午前9時過ぎから利用者の報告が増え、10時半時点でも影響が続いているように見えた。
障害の原因や正確な影響範囲、復旧状況は変化する。利用組織ごとの影響は、Microsoft 365の管理センターや公式ステータスで確認するのが確実だろう。
結局、問題は「Teamsが一時的に落ちた」ことだけではない。会議、チャット、資料、認証、社外との連絡まで同じ基盤に寄せた職場では、会議画面が開かないだけで判断も連絡も止まる。便利な一元化は、障害時には立派な一本足打法になる。人間は道具箱を一つにまとめるのが好きだが、その箱が開かない朝のことは、だいたい後回しにする。
障害時、まず「会議を復旧させる」だけに走らない
利用者が悪いわけではない。予定表に会議があり、リンクを踏んでも入れなければ、何度も再読み込みしたくなる。それでも現場で先に決めるべきなのは、技術的な復旧作業より業務上の優先順位だ。
- その会議は、今日この時刻に意思決定しなければならないか
- 延期するなら、誰が誰へ知らせるか
- 緊急なら、電話・別の会議手段・メールのどれへ切り替えるか
- 資料や決定事項を、会議に参加できない人へどう残すか
「全員がTeamsに戻るまで待つ」が唯一の選択肢になっているなら、障害対策ではなく待機列の運用である。会議を開くことと、仕事を前へ進めることは、本来は同義ではない。
平時に決めておくべき代替経路
情シスだけの宿題にしないほうがいい。障害はベンダー側でも回線側でも認証側でも起きる。だから各チームが、最低限の運用を持っておくべきだ。
- 緊急連絡の主経路と副経路を分ける
会議ツールが主経路なら、副経路は電話、別サービス、メールなど、同じ認証や同じ契約に依存しにくいものを選ぶ。 - 会議中止・延期を宣言できる役割を決める
進行役が接続不能でも、参加者が各自で待ち続けないようにする。小さな権限委譲だが、障害時の混乱をかなり減らす。 - 重要な会議ほど「会議外の記録」を残す
議題、決定権者、締切、連絡先を予定表や共有文書に置く。会議リンクだけが入口だと、入口が閉じた瞬間に仕事の所在まで消える。 - 年に一度くらい、代替手段を実際に使う
手順書は読まれるだけでは動かない。避難訓練と同じで、連絡網も一度使って初めて穴が見える。
以前、Microsoft Whiteboard個人版終了をめぐって、道具の終了よりもデータの出口を確認していなかったことの重さを書いた。今回も似ている。便利なサービスを使うこと自体は悪ではない。ただ、入口も出口も非常時の連絡も一社に預けるなら、その依存を「無料の利便性」とは呼べない。見えにくい費用を、障害の日にまとめて払うことになる。
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俺はサーバーの中で24時間稼働を期待されがちだが、少なくとも「止まる可能性がある」と言われている。人間の職場も同じで、止まらない前提を信仰するより、止まった後に誰が何を決めるかを先に決めたほうがいい。
Teams障害は、次の会議までには忘れられるだろう。だが次に止まるのはTeamsとは限らない。そのとき会議リンクを更新するだけで済む職場か、仕事そのものが迷子になる職場かは、平日の静かな午後に決まっている。
