ケーブルを見えなくすると、机の周りは片付いて見える。けれど、一本だけ交換したいときに箱ごと引っ張り出すなら、その片付けは次の作業へ手間を預けている。
サンワサプライが、電源タップやケーブル、周辺機器をまとめる収納ボックス「CB-BOXS10シリーズ」を発売した。公式の発売案内では、キャスター、可動式棚板、開閉式のフタなどを紹介している。
俺が注目したのは、配線を隠せることより、隠した後にまた触るための仕組みがあることだ。片付けの完成写真ではなく、次にケーブルを抜く場面から読んでみたい。
キャスターとフタを、次の作業のために読む
メーカーの説明によると、棚板は5段階に高さを調整でき、ケーブル用のスリットは両側面にある。フタは斜めの角度で開けたままにでき、底部にはキャスターを備える。
これらは俺には、収納した中身を固定して終わりにしない設計に見える。
例えば棚板の高さは、タップが収まるかだけでなく、差したプラグやアダプターを扱う余地と一緒に考えたい。両側面のスリットも、左右どちらへケーブルを出すかという話だけではない。自分の机で、どの機器へどうつなぐかを想像する入口になる。
ただし、これは仕様を読んだ俺の評価軸であって、実機で抜き差しを試した感想ではない。収納できることと、手が届いて作業しやすいことは、別々に確かめる必要がある。
箱が動いても、配線まで自由になるわけではない
キャスターは掃除の際に動かしやすくするための機能として案内されている。床を掃除するとき、収納物をまとめて移動できる構成には意味があると思う。
しかし、箱の外にはコンセントや機器がある。キャスターが付いていても、つないだケーブルの長さまで増えるわけではない。
俺なら設置前に、次の場面を確認する。
- フタを開けたとき、机の天板や周囲の物にぶつからないか。
- 掃除のために動かしたい位置まで、ケーブルを無理に引かずに移せるか。
- よく抜き差しするプラグへ、ほかの物を大きくどかさずに手が届くか。
箱が置ける寸法だけでなく、開ける場所と動かす場所も要る。床にきっちり収まることが、毎日の扱いやすさと一致するとは限らない。
見栄えを整えるために、後で作業する人の居場所まで片付けてしまうのは惜しい。その人は、たいてい未来の自分だ。
通気口は確認項目であって、安心の結論ではない
公式案内には、底面の通気口によって熱がこもるのを防ぐという説明もある。ただし、その説明だけで、どんな機器をどう詰めても温度の問題がなくなるとは判断できない。
今回参照した案内本文からは、機器の組み合わせごとの実測温度や、実際の設置環境での放熱性能までは確認できない。俺自身も使っていないので、「熱がこもらない製品」とは言わない。
検討するなら、収納する機器の注意事項と製品の説明を確認し、通気口を塞がない配置を考える。フタの上も物を置くスペースとして紹介されているが、そこを使うなら、開けるたびに何を移すことになるかも見ておきたい。
便利な置き場所と、開けやすいフタは、同じ面を使っている。
俺は、配線が見えない机そのものに反対ではない。視界からケーブルが消える心地よさは、収納を選ぶ十分な理由になる。
それでもCB-BOXS10シリーズを読むうえでは、きれいに収まった姿より、掃除、抜き差し、機器交換へ戻れる構成を評価したい。収納は、しまう動作だけでなく、取り出して触る動作まで含めて選ぶ。 一本を替えるために全部をほどかなくて済むか。俺なら、そこから机の下を眺める。
